私は数年にわたり登山やトレイルランニングを趣味としており、現在では主に登山サークルでグループの登山活動をしています。これまで色々な方々とお会いしてきましたが、ほとんどの方がスリムな体型をしていました。登山による運動量の増加は当然なのですが、それ以外の観点で理由を考えてみました。スリムな体型を目指したい、あるいは維持したいと思っている方、何かの気づきになれば幸いです。
半永久的に太らない方法
登山は太らない体を維持するために有効な活動です。
その理由は以下の3点です。
- 体重の変化を実感できる
- 適切な食事量を把握することができる
- エネルギーの消費効率が向上する
それぞれ説明します。
体重の変化を実感できる
当たり前の話ですが、登山は山に登ります。
そのため何度も登り坂に遭遇し、時には数時間もひたすら登り続けることもあります。登り坂では重力に逆らうように体重を脚の力で押し上げて進むことになるため、体の重さを否応なしに感じることになります。
体重は一般的に軽いほど動きやすく、重いほど動きにくくなるため、登山中のフットワークに大きな影響を与えます。
定期的に山へ向かう方は、登り坂に何度も遭遇しており、フットワークの変化を感じる機会が圧倒的に多くなっています。そのため体重の変化に気づきやすくなります。
“今日はなんだかいつもよりも体が重い気がする。昨日はお酒を飲みすぎたかな?”
“あれ、今日はいつもよりも体が軽い気がする。昨日はぐっすり眠れたからかな?”
などを歩きながら思うことで、小さな体重の変化をキャッチアップし、その結果を日々の生活の中にフィードバックすることができます。
普段の街中の生活では、登山のように長時間登り続ける機会は殆どありません。(乗り物を利用することでそのような状況を回避しています。)
そのため体重が増加しても、日常生活におけるフットワークに影響を与えることはないため、体重の変化に気づくことが難しくなります。
登山はこの変化を簡単に気づかせてくれる良い機会となります。
適切な食事量を把握できる
登山中の食事については、自分で食べる食料は自分で持ち歩くことが基本です。そのため、メニュー豊富な食事をしたい、ビールなど嗜好品も飲みたい等の贅沢がしたい場合、持ち歩く食料が増えるため必然的に荷物が重くなります。
荷物が重くなると、登山中の行動にも悪影響を与えます。フットワークが悪くなったり、荷物を背負う事で肩や膝を痛めやすくなったり等、様々なデメリットが生じます。
定期的に登山をしていると、自分にとって必要な食事量と食事タイミングが洗練されていきます。
食事を摂らない時間が長時間続くと歩けない状態(シャリバテ状態)となります。また食事を頻繁に摂りすぎると、満腹で動き辛くなったり、トイレに行きたくなったり等で行動に悪影響が出てしまいます。
定期的に登山をしていると、最も行動しやすいお腹の空き具合が把握できるようになりますので、適切なタイミングで食事を取ることができるようになります。
体の燃費効率が向上する
登山は重さのある荷物を背負いながら、工程にあわせて数時間から数日間歩き続けることが基本となります。そのため沢山のエネルギーを消費することになりますが、
それに加えて、気象条件(とりわけ寒さ)もエネルギー消費の増加に影響をあたえます。
寒さに耐えようとする場合、レインウェアやダウンジャケット等の防水性や保温性の高い衣類を纏い自身の熱の発散を抑えようとしますが、それでも体が冷えてしまう状況は頻繁に発生します。
(標高の高い稜線上を歩き続けたり、気温の低い夜中にテント場を出発したり、雨や雪の中をやむを得ず進む場合等)
このような状況で冷えを妨げようとをする場合、最も簡単な方法は体を動かして、自身の体熱(血流)で暖を取ることになるのですが、体を動かせばよりエネルギー消費量が多くなります。
その際のエネルギー源は食事で得た栄養となるのですが、前項で記載した通り、食事の量が通常よりも制限されていますので、限られた食料の中で沢山のエネルギーを産み出す必要が出てきます。
このような状況を長期間に何度も経験していくことで体がラフな環境に対応できるようになり、少ない食事量で多くのエネルギーを生み出せるような体質へ少しずつ変化します。摂取したエネルギーを効率的に利用できるようになり、体の燃費効率が良くなります。
スリムな体型作りと登山は相性がよい
山というフィールドは街とは異なり、活動に色々な制約を与えます。この制約を素直に受け入れて、楽しむことができれば、自ずと太らない体になっていきます。
ずっとスリムな体でいたい方、ライフスタイルに登山やトレッキングを取り入れてみてはいかがでしょうか。